新生活を始める前の単身引越しには、次の6つのステップがあります。
・ 新しい住まいを選ぶ
・引越し方法を決定する
・ 必要ない物を整理し、引越し準備を進める
・新生活に必要なアイテムを集める
・個人用インターネットサービスを契約する
・市区町村役場での引越しに伴う手続きを行う
これらについて詳細を見ていきましょう。
1. 新しい住まいを選ぶ
単身生活をスタートさせる際、最初のステップは新しい住まいを見つけることです。賃貸物件を契約するまでのプロセスは以下の通りです
- 不動産会社や賃貸情報ウェブサイトを通じて適切な物件を探す。
- 希望する物件が見つかったら、入居申込書を提出する。
- 引越し日を決定する。
- 賃貸契約に伴う初期費用を支払う。
- 住民票などの必要な書類を提出する。
注意すべき重要ポイント
入居申込書に必要な連帯保証人
希望する物件が決まったら、不動産会社に入居申込書を提出します。この申込書には、住所や名前、勤務先の情報に加え、連帯保証人の情報を記入する必要があります。連帯保証人は、病気や失業などの予期せぬ事態で家賃を支払えなくなった場合に、その責任を負う人です。通常、親や兄弟などの家族が連帯保証人になることが多いです。事前にこの準備をしておくことが重要です。
入居日の決定
賃貸契約では、契約上の入居日から家賃が発生します。入居日を早めに設定しすぎると、実際に住み始める前に家賃を支払うことになります。しかし、入居日を引越し直前に設定しすぎると、引越し業者の手配が間に合わないリスクがあります。引越しのスケジュールを考慮して、入居日を決めることが肝心です。
初期費用の削減
賃貸契約には、「敷金」「礼金」「仲介手数料」「火災保険料」などの初期費用がかかります。単身生活は費用がかさみがちですが、初期費用を減らすための工夫が可能です。少しの工夫で、これらの費用を節約する方法があります。
2. 引越し方法の選択
新居を決めたら次は、引越し方法を考えましょう。通常、引越し業者を利用してトラックで荷物を運ぶ方法が一般的ですが、単身での引越しの場合、荷物の量が少ないため、様々な引越しオプションが考えられます。単身者向けの引越し方法には主に以下の3つがあります:
・引越し業者に依頼
・レンタカーを利用して自分で引越し
・宅配便で荷物を送る
どの方法が最もコスト効率が良いのでしょうか。各方法の引越し料金相場は次の通りです。
単身引越しの料金相場
・引越し業者に依頼:15,000円〜
・レンタカーでの自力引越し:28,500円〜
・宅配便での荷物輸送:13,400円〜(ダンボール10個の場合)
移動距離が20km程度の場合を想定しています。結果として、ダンボールが10個程度の少ない荷物の場合、「宅配便」が最も安価な引越し方法となります。しかし、ダンボールが10個を超える場合は、引越し業者の「単身引越しパック」やレンタカーを利用した引越しがコスト面で有利になります。
単身引越しパックと単身プランの違い
単身引越しパックは、一定サイズのコンテナボックスに荷物を詰めて運ぶプランで、荷物量が固定されているためコストを抑えられます。しかし、荷物がコンテナに収まらない場合は利用できません。
一方、単身プランは、荷物量に応じてトラックを手配し、引越し先まで運送します。専用トラックの利用により、荷物量が多くても対応可能ですが、単身引越しパックに比べ料金は高くなります。
自分でレンタカーを利用した引越し
荷物が少なければ、レンタカーを借りて自分で引越しする方法もあります。この場合、荷物の搬出・輸送・搬入を自分で行う必要があります。
宅配便での荷物輸送
ダンボール数が少ない場合、宅配便を利用すると費用を抑えられます。家具や家電がないなど、少量の引越しに適しています。ただし、荷物の量によっては、引越し業者の利用が結果的に安くなることもあるため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。
3. 不要品の整理
引越しの費用を抑えるためには、持って行く必要のない物を事前に整理することが重要です。リサイクルショップへの売却、フリマアプリでの販売、友人への譲渡、大型ゴミの回収サービス利用などが選択肢としてあります。
4. 新生活必需品の準備
引越しの計画が立てられたら、新しい一人暮らしをスタートさせるための準備に取り掛かりましょう。まずは、日常生活で必要不可欠な家具や家電、日用品をそろえることが大切です。ここでは、新生活を快適に始めるためにあらかじめ揃えておきたいアイテムを、優先順位に沿ってリストアップしています。以下のリストを参考にしてください。
⚫︎ベッドまたは布団
⚫︎照明器具
⚫︎冷蔵庫
⚫︎洗濯機
⚫︎カーテン
⚫︎トイレットペーパー
⚫︎食料品
⚫︎電子レンジ
⚫︎炊飯器
⚫︎ゴミ袋とゴミ箱
⚫︎ 物干し竿
⚫︎洗面用具
⚫︎歯ブラシと歯磨き粉
特に「ベッドまたは布団」、「照明器具」、「冷蔵庫」は、引越し日に新居に届くよう、事前に購入して配送日を指定しておくと良いでしょう。
ベッドまたは布団
部屋をより広く見せたい方には、「フロアベッド」や「ローベッド」が適しています。これらの低いベッドは圧迫感を減らし、部屋全体を広く見せることができます。予算を抑えて家具を揃えたい場合は、「脚付きマットレス」がおすすめです。ベッドフレームとマットレスを別々に購入する必要がなく、コストを抑えつつ、マットレス単体でベッドとして使用できます。また、見た目がスッキリしているため、部屋を広く見せる効果も期待できます。
照明
照明にこだわる場合、インテリアに合わせたデザインのものを選ぶと、理想の空間を作り出すことができます。照明を選ぶ際は、明るさ、デザイン、光の色を考慮に入れてください。
冷蔵庫
冷蔵庫選びでは、機能性とコストのバランスを重視することをおすすめします。一人暮らしでは、冷蔵庫の上に電子レンジなどを置くことが多いため、耐熱天板がついたモデルが便利です。また、扉が開く方向や設置スペースの大きさも確認しておきましょう。
その他
忙しい引越し後の生活を考慮し、電子レンジで簡単に調理できる食品やカップラーメンなどを予め購入しておくと、時間の節約にもつながります。
5. インターネット契約
新居でインターネットを利用するためには、引越し前にサービスの申し込みと契約手続きを済ませておく必要があります。手続きには通常2週間から4週間を要するため、早めに行いましょう。
6. 市区町村役場での手続き
引越しをする前に、役所で行うべき主な手続きは「転出届」と「国民健康保険」の変更です。以下でそれぞれの手続きについて説明します。
転出届の提出
異なる都道府県や市町村へ引越しする場合、引越し前に転出届を提出し、住民票の移動手続きを行います。これにより、新しい住所地の役所に住民情報が移されます。ただし、以下のような特例もあります
・現住所と異なる市区町村での生活期間が1年未満の場合
・週末や季節ごとに実家に帰省するなど、生活の拠点が実家にある場合
これらの条件に該当する場合、住民票の移動を行わなくても問題ありません。
国民健康保険の手続き
引越し先が現住所と同じ市区町村内か、異なる市区町村かによって、国民健康保険の手続きが変わります。住民票の移動がない場合は、手続きの必要がありませんが、異なる市区町村へ引越しする場合は、引越し元での資格喪失手続きと引越し先での加入手続きが必要になります。
学生のための健康保険証
親元を離れて学生が住民票を移動する場合、学生用の健康保険証を取得することができます。これは、親が加入している保険の種類によって手続き方法が異なり、社会保険に加入している親は勤務先を通じて、国民健康保険に加入している親は住んでいる自治体から、「遠隔地に住む学生保険証」を発行してもらうことになります。この保険証は、進学により親元から離れる学生を同じ世帯の一員として扱うためのものです。
引越しに際して、これらの手続きを事前に確認し、スムーズに移行できるよう準備を整えましょう。
まとめ
以上が、単身で新生活を始める前に必要な引越し準備と手続きの概要です。各ステップを計画的に進めることで、スムーズな移行を実現しましょう。