シニア世代の一人暮らし〜月間食費と節約術〜

シニア世代の一人暮らし

高齢になり収入が減少すると、経済的な管理が重要になります。多くの人が「自炊をしよう」とか「外食は控えよう」と計画していますが、高齢者の単身生活での月間食費は一体どれほどになるのでしょうか。この記事では、高齢者の平均的な食費を紹介し、食費だけでなく家計全体を効率的に管理し、経済的な余裕を保つ方法について説明します。

食費の概要

「家計調査報告」によると、65歳以上の単身無職世帯の平均的な月間消費支出は約145,430円で、この中の食費は約40000円です。一般的な単身世帯の月間食費は平均約47,000円であり、高齢者は約7,000円の節約が見込まれます。

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外食の頻度を減らし、家での料理を心がける

独り暮らしの自由さにもかかわらず、多くの人が仕事後に気軽に飲食店で食事をすることがあります。そこでの食事とお酒で、支払いが2000円から3000円になることも珍しくありません。このような外食を日常化していると、年配になってからそれを控えるだけで、相当な金額を節約できます。特に頻繁に一人で外食を楽しんでいる人は、少し我慢するだけで、月に約1万円節約できる可能性があります。

コンビニ食を辞め、手作り料理を基本に

コンビニで購入したランチやディナーに頼っていた人は、家での調理にシフトしましょう。会社での昼食にコンビニのお弁当やドリンク、お菓子を購入すると、1000円程度かかりますが、家で作ればその半額以下に抑えることが可能です。自炊を続けるコツは、始めたら貫徹することです。自炊は初期に調味料や調理器具をそろえる必要がありますが、始めのうちに投資をしておけば、長期的にはコンビニ食よりもコストを抑えられます。基本的な調味料で多様な料理を作るスキルを身につければ、節約も上手になります。また、独り暮らしの場合、食材を多く買いすぎてしまうことや、作り過ぎてしまうことがあります。野菜を漬け物にしたり、冷凍できるものは早めに凍らせるなど、工夫して食材を最後まで活用しましょう。

趣味を通じて食材を得る

自炊を主体にすると、時には息苦しさや面白みに欠けると感じることもあるでしょう。そんな時は、趣味を通じて食材を得る方法を考えてみてください。例えば、釣りをして「今晩の夕食」の魚を手に入れたり、家庭菜園で育てやすい野菜に挑戦したり、キノコ狩りや山菜採りにチャレンジするなどがあります。家庭菜園は初期費用がかかることもありますが、まずはベランダで育てられる野菜から始めることをお勧めします。キノコ狩りや山菜採りは、食べられるものとそうでないものの見分け方や、野生動物との遭遇を避ける方法など、経験者と一緒に挑戦することが大切です。

高齢者の一人暮らし向け家計節約術

食費を中心に見てきましたが、家計全般で節約可能な方法は多数存在します。特に高齢期は、これらの節約術を実践する絶好の機会と言えるでしょう。

身の回りの整理

仕事で忙しい間に後回しになっていた納屋の整理や不用品の片付けを、高齢期にはじっくりと行うことができます。使える物はリサイクルショップへ持って行ったり、オンラインフリマで販売することで、余分な物を処分しつつ収入を得ることが可能です。また、この過程で出てくる消耗品などは今後の出費を減らすのに役立ちます。高価な物をネットオークションで販売するなど、老後の時間を利用して資産整理を行うのも一つの方法です。

住まいのダウンサイジング

大規模な身の回り品の整理整頓を経て、現在の住まいが自身にとって広すぎることに気付くかもしれません。賃貸住まいの方は、より小さくコストのかからない物件への移住を検討し、持ち家の方は売却してより適切なサイズの住まいへ移ることで、生活資金に余裕を持たせることができます。

通信費の見直し

忙しい現役時代には見直す機会がなかった通信費も、高齢期には見直しのチャンスです。格安スマホへの切り替えや、パソコン使用頻度の低下に伴う光回線の解約などで、月々の通信費を大幅に削減することが可能です。

運動を含む趣味の獲得

運動を趣味として取り入れることで、医療費の削減につながります。高齢者特有の疾患や怪我のリスクを減らし、さらには健康を維持することで、パートやアルバイトからの収入獲得も視野に入れることができます。

軽自動車への乗り換えや自動車の手放し

自動車維持費は高齢者の家計における大きな負担です。適切なタイミングで軽自動車への乗り換えを検討することや、必要なければ自動車を手放すことも、節約に大きく貢献します。高齢者の運転が原因の事故が問題視されている現状を踏まえ、早めの判断が求められます。

これらの節約術を通じて、高齢期の一人暮らしでも安心して過ごせる家計を実現しましょう。

老後の資金管理における重要ポイント

老後の資金管理には特に注意を払うべき点があります。節約に励むことは大切ですが、その方法とバランスには注意が必要です。

栄養のある食事を維持

食費の節約を図る際には、食事の質を落とさないよう心がけましょう。例えば、昼食を具無しのおにぎりのみにしたり、夕食をもやしのみで済ませたりするような極端な節約は避けるべきです。栄養バランスを崩すと健康を損ね、結果として医療費が増加する恐れがあります。健康的な自炊を心掛け、バランスの取れた食生活を維持することが重要です。

大きな出費に注目

日常の小さな節約も大切ですが、より効果的な節約を目指すなら、住居費や通信費、自動車維持費といった大きな出費を見直すことが効率的です。これらの支出を見直し、必要に応じて削減することで、節約の大きな効果を得られます。

節約を楽しむ

節約は苦痛な作業である必要はありません。自分にとって楽しいと感じる節約方法を見つけ、積極的に実践しましょう。また、家計簿をつけることで、節約による成果を可視化し、達成感を得ることも大切です。

健康維持と収入源

老後も健康を維持することは、節約以上に重要です。可能であれば、健康なうちにパートやアルバイトで収入を補うことも検討しましょう。これにより、節約だけでなく、生活資金の増加にも繋がります。

結論として、老後の資金管理では、健康を第一に考えた上で、ストレスを感じることなく節約を心掛けることが重要です。また、積極的に収入の機会を模索することで、老後も安心して過ごせる生活を実現できます。